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小津安二郎の映画



東京の合唱
 ★★
1931年(昭和6)8月15日公開/91分
モノクロスタンダード無声/松竹蒲田
原案 北村小松 脚本 野田高梧
 監督 小津安二郎
撮影・編集 茂原英雄 撮影補助 厚田雄春
 舞台設計 脇田世根一
出演-岡田時彦・八雲恵美子・斎藤達雄・坂本武・飯田蝶子・菅原英雄・高峰秀子
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1931年・昭和6年に公開された小津安二郎28歳の時のサイレント映画。
いわゆる「小市民映画」の代表的作品の一本とされる。
この年、国内では農産物価格の大暴落に凶作が追い討ちをかけ、農村では娘の身売りも頻発、また満州事変が勃発している。

前年1930年の「落第はしたけれど」以降、小津は6本の作品を監督している。それまでは西洋かぶれの映画が多かった小津だが、この作品では当時の不況時代の世相を反映させた映画となっている。

日本家屋内でのシーンが多く、後年の小津映画に見られる構図が頻繁に見られる。
畳に座った人間を捉えるためには、必然的にカメラ位置はローアングルになるのは必定だろうと思われる。また洋食屋のシーンも出てくるが、こちらも引いた画面でのカメラ位置は低い。実際の映画セットは、地面より一段高くして建て込むので、カメラをローアングルにするのは容易であった。
小津のローアングルは「庶民目線のアングル」「決して人を見下さないアングル」とか色々諸説あるが、単にセットの都合から、また座った人間の構図が美しく撮れるからが元々の理由だと思える。その構図の美学を追求していたのが小津映画の根幹だろう。
小津本人は、とあるインタビューにて、スタジオで撮影をしている際、照明の電源コードが床を埋め尽くしていたので、それが写らないようにカメラのポジションを下げてアオリ構図にしたのがその始めだ、と語っているようだ。

この映画でもう一つの特色は、子供達が素晴らしい。主人公の夫婦には二人の子供がいるのだが、とても生き生きと描かれている。
後年の「お早う」の子供達の原型が見られる。ちなみに女の子は当時6歳の高峰秀子だ。

この当時のすべての小津作品が現存している訳ではないので断言できないが、この頃からアメリンかぶれから離れて独自のスタイルを追求し始めたのかもしれない。




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