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悪性リンパ腫
闘病の日々

愛知県に住む62歳10ヶ月の男Iです。突然、悪性リンパ腫になってしまいました。
これから先、突然に同病を患う人も居ると思われるのでその参考になればと思いupしていきます。

2001年の「結核性胸膜炎・闘病記」はこちら

11/18 更新

 発症~入院 抗がん剤投与①~退院  通院・抗がん剤投与②~   




2020/7/26

6月の頭あたりだったか、朝ジョギングしてシャワー浴びた後、櫛で髪を揃えていた時、丁度頭部の真ん中、頭頂部あたりが盛り上がっている事に気付いた。頭ぶつけてコブでも作ったかと思った。

それから日に日に盛り上がって来て、1cm弱くらいの腫瘍になって来た。痛くも痒くもない。
グーグルで似たような症状、患部を検索すると、皮膚がんの一種、有きょく細胞ガンに酷似している。

6/22に開業医で診てもらう。血液検査の結果は感染性ではなく、腫瘍性の疑いが強いとの事。紹介状を書くから東三河では一番大きい総合病院の皮膚科へ行けと言われる。

6/30に総合病院の皮膚科の予約がとれて診察。ハッキリと断言は出来ないが、おそらく外来オペで切除する事になろだろうと言われる。
その後、局所麻酔で患部を切り取る。これを病理検査に回さないとハッキリとは分からない。悪性か良性かは2週間後に判明するとの事。

落ち着かない2週間が過ぎていく。そのうち、首のリンパ節が痛くなる。鎮痛剤を貰って散らす。転移しているのではないだろうか? 最悪の結果を覚悟しないといけない。

7/16、検査結果を聞きに皮膚科へ。結果、ガンではなく血液腫瘍だと。リンバ腫の病気だと。
病理検査の結果、病名は「CD30陽性 T細胞増殖性疾患」。・・・何ソレ?
担当は血液内科に変更となる。

血液内科の担当医によると現時点では100%ガンとは言い切れない。PET検査とリンパの生検をして確定となる。ただ、すでにリンパ節に転移している可能性が高いとの事。

患部の様子 (クリック注意-非常にグロいです)

家に帰ってGoogleで検索する。

悪性リンパ腫はがん細胞の形態や性質によって70種類以上に細かく分類されている。
「CD30陽性 T細胞増殖性疾患」は、白血球のT細胞が変異した血液のがん、のようだ。

この病気、非常に珍しい病気で2015年の資料だと年間37症例しかない。なので個人の闘病記などは見つけられず、ヒットするのは医療機関向けの学術論文ばかり。手術はせず、放射線治療と化学療法での治療が大半のよう。

ただネットで見つけた論文によると予後は良いらしく、5年生存率は平均85%。しかし62%が再発するとの記述も・・・。

毎日が躁鬱の繰り返しの状況だ。

明日7/27にPET検査と骨髄検査。7/28に首のリンパの生検をやる。




20/7/28

血液内科の外来で9:30より骨髄穿刺(こつずいせんし)の検査。
「マルク」とも呼ばれる以下のような検査。

【胸骨、もしくは腰にある腸骨に針を刺して、骨の中にある骨髄組織をとる検査。穿刺吸引法(せんしきゅういんほう)と針生検法(はりせいけんほう)がある。
針生検法は、腸骨に太めの針を刺し、骨髄組織を針の中に捉えて一部を採取、採取した骨髄はスライドガラス上に薄く広げて染色した後、顕微鏡で観察する。これにより、造血機能や血液疾患の原因、さらに腫瘍細胞の有無などが明確になるため、血液疾患の診断や治療法の選択・治療効果の判定において重要な検査】

簡単に言うと、腰のあたりから骨に注射して骨髄を吸引する検査で、いかにも痛そう。実際、看護師さんに聞くと、痛いという患者が多いとか。

担当医が現れて、ベッドの上でうつ伏せに寝る。左の腰のあたりを消毒し、麻酔の注射をする。「痛てっ」と声が出てしまった。採血より太い注射針を使うので当然か。
その後、ゴリゴリと押された感じが。そして担当医が「吸引しますからね。・・・いち、にの、さん!」の掛け声とともに、一気に注射器で骨髄が吸引されましたよう。痛みは少しで、キューッとした違和感を感じたかな?という程度だった。

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そのあと11:20よりPET検査。

【「PET検査」とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略。
がん細胞が正常細胞に比べて3~8倍のブドウ糖を取り込む、という性質を利用する。ブドウ糖に近い成分を体内に注射し、しばらくしてから全身をPETで撮影する。するとブドウ糖(FDG)が多く集まるところが光り、がんを発見する手がかりとなる。
従来のレントゲンやCT、MRIなどの検査は、写し出された造形からがんを見つけるが、PET検査は細胞の性質を調べてがんを探しだす】

分刻みのスケジュールでブドウ糖の注射を打って、50分間別室にて安静にする。スマホや読書は厳禁。筋肉を使うと駄目らしい。そして検査室へ移動、約16分かけて全身を撮影する。再び別室に戻って待機。担当医が画像を確認したらしく、さらにお腹周辺を5分ほどかけて再撮影した。

首のリンパ周辺ではなくお腹を再撮影したということは、そこらに新たな病変が有るのだろうか?

腸とか膀胱、前立腺あたりが光ったのかもしれないと、疑心暗鬼になってしまう。なるようにしかならないのは分かっているのだが・・・・。

その後本日の会計。
金額は\46,700、だった。




20/7/29

15:00より首のリンパ生検を受ける。

首のしこりの細胞を採取する手術。髄液検査と同じ、処置室での局部麻酔の手術と思っていたがトンデモなかった。

手術30分前に耳鼻咽喉科の処置室に呼ばれ、手術着に着替えて点滴を入れようとする。不安になって看護師に「ここで処理するのではないのですか?」と問う「手術室での手術となります」との答え。一気に緊張する。

首のリンパ節には静脈や神経など大事なものが寄せ集まっているので、局部麻酔の生検でもちゃんとして手術室での執刀となるそうな。

その後、手術室に移動。生まれてはじめての手術室。米国ドラマ「ER」そのまま。
執刀医の耳鼻科の担当医以外、助手が3人くらい。エコーでメスを入れる箇所の確認をして局所麻酔を打つ。「痛ェー」そのうち感覚が重くなっていって手術開始。

ジョリジョリ、パチパチ。左耳のすぐ横での執刀なので初めて味わう感覚と音が聞こえてくる。執刀医や助手の会話も聞こえてくる。「・・・よし。・・・メス」「・・・はい、長メス・・・」「・・・があるからもう少し開こう」

時々「グフッ」と感覚が戻る。「痛いですか?」「はい、ちょっと痛みが・・・」「麻酔追加しましょう・・・」
そんなかんなで計3回ほど麻酔を追加しながらまな板の鯉状態が、約70分。やっと手術が終了した。

ナメていた。こんなに大変に手術だったとは・・・。

手術台から起き上がって立ち上がるときに少しフラつく。執刀医に「頭の腫瘍が首に転移していたのですか?」と問うと「転移かどうかは私の立場では答えられないが、比較的小さな腫瘍を2つ、摘出した」との答え。
これは勿論、頭の腫瘍と同じ腫瘍が、首のリンパに存在したのだろうと思う。

その後、何とか歩いて耳鼻科へと戻っていった。
本日の会計、金額は7,190円、だった。

事前に術後は車の運転は無理と聞いていたので、付き添ってくれた姉の車で自宅へ戻る。
もちろんその日のアルコールは禁止。数ヶ月ぶりにお酒無しで、19:30にはベッドへ。
初の手術で疲れていたのだろう、すぐに眠りに入った・・・。



20/8/1

一昨日7/30、夕方から駅近くの立ち飲み屋へ。

月に2回は立ち寄っている馴染みの店。入院して闘病生活が始まったら当分来られないだろう。

生ビールにいかぬたと山芋を注文。文庫本を読みながら飲むのがいつものスタイル。



この日は途中から、若者二人組が入ってきて大声で喋りだした。こいつらとはもう2回くらい遭遇していて鬱陶しい。とても落ち着いて本も読めないので、会計して貰って外へ。〆て1,100円、也。

次は9月にでも来られたら良いのだが・・・。

昨日の7/31は伊良湖岬へ。

これから一ヶ月は車を動かすことが出来なくなるので、バッテリー上がりを予防するために往復88kmのドライブ。昼食は岬の突端に有る、灯台茶屋でミックスフライ定食。



あさり、ホタテ、エビのフライに、焼き大アサリが付く。食欲は有るので完食する。

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左右のリンパ節の膨張感が止まらない。腫瘍が日に日に大きくなっているのだろう。

担当医に相談すると、治療を始めたら縮小していくはずだとの事。気道を塞がれたらとの恐怖を語ると、位置的に考えられないので大丈夫との答え。いずれにしても毎日気持ち悪い。



20/8/4


9:30より耳鼻咽喉科にて首リンパの抜糸。

10:30より血液内科にて担当医からの説明。

何と!、首リンパの病理検査結果、病名が変更になる。

「ALK陰性未分化大細胞リンパ腫」
非常に予後の悪いリンパ腫で、5年生存率は40-50%。

・・・・俺、死ぬん?

明日にでも入院して治療を始めたいとのこと。

さらにPETの結果、大腸にも病変が見つかった。
消化器科内科に行って内視鏡検査を受けることに。

病変は直腸あたりなので即、浣腸をして、午後一に内視鏡を入れる。
腫瘍が見つかり切除。
消化器科内科へ再び戻って検査の結果を聞くと、ただのポリープだろうとの事。
形状、色を見るからに、リンパからの転移ではないだろうと。

再び血液内科に戻る。
担当医は転移でなくて良かった。横隔膜より下の転移は認められないので、ステージは2だろうとのお話。
しかしこの病気は、標準治療がまだ確立されていない。
詳しくは明日入院した後に説明するとのこと。

リンパ節の病理検査の結果、病名が変更となり、5年生存率が90%から40%へ。
激しく落ち込む。

帰宅してPCで検索。
調べると、場合によっては造血幹細胞移植、いわゆる骨髄移植をしないといけないかも。
担当医は化学療法の他にさらに大きな治療方法もあると言っていたが、多分この事だろう・・・。




20/8/5


10:00に姉の運転する車で病院へ。

入院手続きをする。部屋は4人部屋。個室を希望したが満床で3人待ちの状態だそう。

12:00前から担当医の説明。

今回の治療は、去年の12月に認可された新しい抗がん剤を使いたいと思う。
T細胞は疾患自体が少ないので、この病院ではこの新薬を使うのは初めてのこと。
それで昨日は5年生存率は40-50%と言ったが、それは一番標準的な治療の場合で、この新薬を使った場合、私のステージ、年齢などを考慮すると70%くらいまで5年生存率が上がる、との事。

ただ、再発はほとんどの人で起こる。なので造血幹細胞移植を抗がん剤の後にしたいと思っている。
それをすれば再発率が50%まで下がる、とのこと。

つまり5割の確率で完治する可能性がある!

もし完治しない難病であるとしたら、再発した場合は抗がん剤治療はせずに、緩和ケアでQOLを保ったまま死んでいきたいと考えていた。しかし、もし完治の可能性が例え5割でもあるのなら、それに賭けてみようとも思う。

ただ大量化学療法になるので副作用はかなり酷いことになる。また私は19年前に結核性胸膜炎で入院した過去があるので、治療中に結核菌が暴れだす可能性があるとの事。

その後、呼吸器科へ呼ばれる。

呼吸器科の先生は私の肺のCT画像を見ながら、19年前にちゃんと結核の治療を完遂しているのなら、再び結核菌が暴れだす可能性は低いとの話。もう少し、詳しく検討してから一週間後に結論を出すとのこと。
良かった!

一昨日までは5年生存率90%の病気だと思っていたが、昨日になったら病名変わり40-50%となり、激しく落ち込み、そして今日は70%となって大喜び。毎日の感情の起伏が、まるでジェットコースターのようだ。

さらに完治50%で、何となく「希望」が見えてきた。

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化学療法計画書

明日からの抗がん剤投与の計画書。



何と投与は明日の10:30から14:00までの一回のみ。抗がん剤投与は、毎日数日かけてするものだと思っていた。

その後の二週間は副作用の対処療法になるようだ。つまりそれだけ強力、と言うことか・・・。



トイレは明日の11時から9日の朝まで、水洗を必ず二回流さなければいけないようだ。



夕食は魚の竜田揚げで美味しく頂いた。




20/8/6

<抗がん剤投与 初日>

入院初日だった昨夜はなかなか寝付けなかった。

カーテンで仕切られただけの4人部屋なので隣の息遣いまで聞こえてくる。
うるさい鼾や歯ぎしりはなかったが、それでもうなされる声とか聞こえてきた。悪夢を見ているのだろう。
みんな悪性リンパ腫で抗がん剤治療者だから当然ではある。

10:30からは、いよいよ抗がん剤投与の始まり。

最初は嘔吐抑制剤を30分。そして真っ赤な点滴袋に交換して抗がん剤開始。



しばらくすると、少し体が火照ってきた。
この薬は毒性が強いらしく、漏れると皮膚が壊死してしまうらしい。
なので安静にしてしてるように指示される。

さらに残り二種類、計三種類の抗がん剤を投与して、15:00前には終了した。意外と呆気ない。
その後トイレに行くと真っ赤な小便が出た。

夕方近くになると、それまで膨張感があって常に張っていた首のリンパ腫瘍が、明らかに軟らかくなり膨張感が薄れている。効果テキメンだ。
それまで痛くて8時間毎に鎮静剤を飲んでいた。昨夜は夜の21時に飲んで、8時間後の朝5時には再び痛くなり服用。それがすでに12時間以上経っているが痛みはなく、腫瘍も縮小している気がする。

抗がん剤、恐るべし。

ただ、ついに体内に抗がん剤を入れてしまったか、という思いも強い。

治療の終わりにはひとまず薬が効いて、ガン細胞はPETでも光らなくなるだろう。
しかし一度は消失したと見えたガン細胞だが、細胞単位では生き延びている可能性がある。
再び再発した時は、より耐性がついた悪性度が増したガンとして現れる。そうなったら薬の効きも悪くなり、治療も限られていくだろうと思う。

ガンとの戦いが、ついに始まってしまった・・・・。




20/8/7

<抗がん剤投与から1日目>

昨夜は何故かほとんど一睡もできなかった。
今後のことを考えて不安感は少しあったが、眠れなくなるほどの苦悩はなかったのだが・・・。
あえて探せばお茶を一杯飲んだことか?

睡眠不足のせいか、明け方に首のリンパが痛みだす。
昨日は抗がん剤が早速効いてきたと喜んでいたのだが・・・。

5:15に採血して鎮静剤をもらう。ほどなくして痛みは軽減。

熱を測ると37.3℃。痛みのせいか・・・。

朝食後、担当医と廊下で会う。
「採血の結果が出ましたが、異常なしです」と結果のシートを渡される。



首のリンパの件を言うと、触りながら「・・・昨日より大きくなってるなー」と苦笑い。「マア、一旦大きくなる場合もありますからー」とあまり深刻さは無い。

その後、検査室へ出向いて心臓のエコー検査をする。
抗がん剤治療を始めて、心臓の動きに異常がないかの検査らしい。結果は何も言われなかった。
聞いても「後で担当医からお話があります」との答えしか返ってこないだろう。

その後、点滴も終わって固定されていた針も外されて、腕はスッキリ。



体重を測ると昨日より2kg太っていた。
普段は夜は酒のツマミだけで白米等は食べない。入院からの、運動なし三食しっかり摂取で太ったようだ。

本日は朝食、昼食と完食したが、夜食は腹が空かなく食欲もなくて、ほとんど残してしまった。




20/8/8

<抗がん剤投与から2日目>

昨夜、消灯前の看護師見回りで、眠剤を処方してもらった。毎日飲んでいるステロイドの関係で不眠になるのは当然だとの事。なので昨夜はゆっくりと眠れた。

首のリンパは少し小さくなって来たようだ。鎮痛剤は昨日の朝に飲んだきりだが、今朝は痛みはない。
このままぶり返しもなく、縮小してくれたら良いのだが・・・。

今の所の副作用は、先の不眠と軽い便秘、37度前後の軽い微熱、そして手先の微小の痺れくらい。

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入院3日目ともなると、同室患者の具合が少しづつ分かってくる。

隣の70代おっさんは再発のようで常に点滴をしていて、看護師のチェックも多い。斜め向かいの80代前後のおっさんは、多分私と同じ初の抗がん剤投与で、来週には退院予定のよう。副作用は両足の痺れがあるようだ。また横のおっさんは昨日入院。再発か、再再発らしく看護師とも知り合い。去年以来の再入院で、体の節々が痛いらしく、さっそく輸血を受けている。ただ性格は明るい人らしく、看護婦に冗談言ってるのが救われる。

今日から三連休なので、採血もなく、暇な日々になりそうだ。



上の写真は毎朝食に出る「どうまいヨーグルト」

「うまい」の前に「ど」が付くのが三河弁。「どいい」「どすごい」「どわるい」等など。



この病院のテレビ卓台は何とBDプレイヤー付き。
今回の入院直前まで、以前BSで放送していたTVシリーズ「新・座頭市」と米国ドラマ「24」を毎日見ていたので、
続けて見たいと思い、BD内臓のレッツノートを急遽購入して病院に持ち込んだ。しかしそれも無駄になってしまったかも。

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本日は休日なのに担当医が来た。
首のリンパも順調に小さくなって来ているので、来週末には退院して、通院で治療、その後は造血幹細胞移植に入りましょうとの事。
いずれにしても年内一杯か来年までは治療が続いていく。




20/8/9

<抗がん剤投与から3日目>

夜は眠剤を処方されてよく眠れるようになった。

本日は日曜なので医師の巡回もなく食っちゃ寝、の日だった。

首のリンパも痛みはなく腫れも引いてきた。頭頂部の腫瘍も面積は変わらずだが、高さが低くなってきている。

副作用は軽い便秘くらい。痺れもない。

「座頭市」2本と「24」2本を見る。

読書は入院以前から吉村昭を再読していたので、その続きとして「零式戦闘機」「神々の沈黙」をすでに読み終わって、今は「陸奥爆沈」を読み始めている。




20/8/10

<抗がん剤投与から4日目>

昨夜20時頃、「24」を見終わりヘッドホンを外すと、隣のベッドが騒々しい。
どうもベッド毎、患者を移動するらしい。嘔吐がどうのこうの、奥さんは呼んだとか聞こえて来る。

隣の人はチラッとしか見かけてないが、頭皮はまった無かったので、再発か再再発か。急に容態が急変したのだろうか? その内、奥さんが来たらしく、荷物などを片付けて行った。

話したことは一度もなかったが、4日間、隣に寝ていて看護婦に軽口叩いたり、夜は寝息なども聞こえていたので、少し虚しさが込み上げてきた・・・・。

そして隣のベッドが空いたのでそちらに移動となった。



やはり窓側は明るくて良い。

本日も「座頭市」2本と「24」2本を見る。
また「陸奥爆沈」を読了した。




20/8/11

<抗がん剤投与から5日目>

早朝5時過ぎに採血。

飲むヨーグルトを飲んで院内の外来区域を散歩。

ちらほら、院内を散歩している入院患者が居る。



病院食が3食ご飯はしんどいので、
今朝から朝食のみだが、パンに変更してもらった。久しぶりのパンは美味しく、完食。



9:00過ぎに採血の結果が出た。

抗がん剤投与した翌日と比べてみる。

8/7
(投与1日目)
8/11
(投与5日目)
  白血球 感染症  15730 7640 
 赤血球 貧血めまい  444  414
ヘモグラビン  出血貧血  13.8  12.7
血小板 口内炎 26.1 23.2
好中球  感染症
免疫力低下
 89.7  93.8
 好中球数 500以下注意  14110  7166

白血球が半分以下になっている以外は、マアマアの結果らしい。

これからどんどん下がっていき2週間目あたりがピークになるとの事。

夕方になって再び首のリンパが腫れて来たようだ。
血液の中でがん細胞と抗がん剤が、拮抗した戦いを繰り返しているのだろう。




20/8/12-13

<抗がん剤投与から6日目>

昨日書き忘れたが、また部屋が変わった。



4人部屋だが前よりスペースが広くなり、PCディスクが付いている。
これならプリンターも設置してデスクワークが可能だ。

ちなみに差額ベッド代は1,000円+税。
個室だと5,000円+税なので、こちらの方がお得かもしれない。

手先の痺れが出てきた。
午前中は右の親指の先だけだったが、夕方には左の親指も痺れてきた。

首の張りも収まっていない・・・。

吉村昭「蚤と爆弾」読み始め。

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<抗がん剤投与から7日目>

昨日担当医から話があって、通院での抗がん剤投与は9/1から開始したい。
なので退院はその前の週末を予定しているとの事。

一般的な抗がん剤の投与間隔は二週に一回だが、今回の新しく認可された抗がん剤「アドセトリス」は三週に一回投与。それだけ強力、と言うことなのだろうか。

期間は最大8回。
なので全クール投与出来たとしたら終了は来年2月前半になる。


PCでBDを見る時は有線接続のヘッドホンを使っていたが、コードが邪魔だったので
昨日アマゾンでブルートゥースのイヤホンを注文した。

病院内にコンビニがあるので、そこでの受け取りにして、今日の午後に届いた。

 

さっそく繋いで快適となった。
便利な世の中になったものだ。

ただ接続がブルートゥースなので、画面と音声でディレイが発生する。10フレくらいか。
低音も弱くなってしまったが、マアそのうちに慣れるだろう。




20/8/14-16

<抗がん剤投与から8日目>

5時過ぎに採血があり、下がその結果。

 正常値 8/7
(投与1日目)
8/11
(投与5日目)
8/14
(投与8日目)
  白血球 感染症 3300-8600   15730 7640  3320 
 赤血球 貧血めまい  435-555  444  414  475
ヘモグラビン  出血貧血  13.7-16.8  13.8  12.7  14.6
血小板 口内炎  15.8-34.8 26.1 23.2 21.9
好中球  感染症
免疫力低下
 38.5-80.5  89.7  93.8  74.4
 好中球数  500以下要注意  14110  7166  2470

白血球が半減。好中球数が1/3に減少している。
ただ全て最低正常値の範囲内ではある。

担当医が来て次の通院での抗がん剤投与は9/2を予定しているとの事。

退院は採血の結果次第だが、8/26-28辺りになりそうだ。


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<抗がん剤投与から9日目>

本日は土曜日。

食欲あり、指先の痺れは微小、腕と足首の軽い発疹が出てきた。
副作用なのが、エアコンの効いた病室での乾燥のためか判別つかず。

「24」シーズンⅢを見始める。

テレビの「新・座頭市」シリーズⅠを見終わる。
最後の三話はBDを部屋に忘れたよう。
なのでアマゾンプライムのチャンネルで鑑賞した。


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<抗がん剤投与から10日目>

日曜日なので院内はひっそり。

請求書をモバイルプリンターにて印刷。とても便利。

腕や背中、足に赤い発疹が出る。塗り薬を処方してもらう。
副作用のようだ。

今週一週間が副作用のピークになるようだ。

本日より「新・座頭市」シリーズⅡを見始めた。




20/8/17

<抗がん剤投与から11日目>

5時過ぎに採血があった。

その後、会社の請求書をポスト投函するために玄関の外へ。
入院以来、二週間ぶりに外へ出た。

  

検査の結果。

 正常値 8/7
(投与1日目)
8/11
(投与5日目)
8/14
(投与8日目)
8/17
(投与11日目)
  白血球 感染症 3300-8600   15730 7640  3320  860 
 赤血球 貧血めまい  435-555  444  414  475 453
ヘモグラビン  出血貧血  13.7-16.8  13.8  12.7  14.6  13.9
血小板 口内炎  15.8-34.8 26.1 23.2 21.9 15.1
好中球  感染症
免疫力低下
 38.5-80.5  89.7  93.8  74.4  26.7
 好中球数  500以下要注意  14110  7166  2470  230

白血球が一気に三桁に下がった。
好中球数も要注意500以下の半分になっている。

今日から三日間、白血球を増やす注射を打つとの事。

とにかく感染症予防を徹底するしか無いよう。
毎食ごとの歯磨き、手洗い、うがい、入浴等など。

発疹が出たので悪化すれば退院が長引くかもしれない。

  

病院食も最近は進んでいて、昼食夕食は二択から選ぶことが出来る。
今日の昼は入院以来初の、スパゲティだった。




20/8/18

<抗がん剤投与から12日目>

昨夜は横の70代のおっさんが突然症状が悪化。
足が痛い、胸が痛いで看護師が3,4人駆け付け、血圧測り、心電図と酸素マスク付けた様子。
嘔吐も始まるが医者は不在らしく、ともかく点滴関連を一切外して様子見。
状態落ち着いて、暫くしたら移動CT技師が来て胸のCTを撮っていた。

まるでリアルERだった。カーテン越しなので声しか聞こえないが、それが却ってリアル。

この部屋に移って来てから感じていたが、隣のおっさんは状態はあまり良くなく、それでも移植を希望しているようで、昨日から抗がん剤投与が始まったばかりだった。その副作用が出たのだろうが、個人的には点滴輸血のチューブに繋がれたまま意識失い、死にたくないなと思った。

実は昨日、個室が空いたらしく移動できたのだが断った。
最初入った大部屋だと近すぎて寝息まで聞こえて不快だったが、現在の仕切りがある四人部屋だと、ある程度のプライバシーは保たれ、さらに環境音も程なく聞こえてくるので飽きない。

窓側の兄ちゃんは30代後半でサーファー。建築関係らしくいつもキーボードをカチャカチャ叩いている。頭の毛はあるので一回目の抗がん剤治療だろう。斜め向かいの兄ちゃんは40代。移植を終えて生着後の拒絶反応にいろいろ苦しんでいる様子。

今のこの部屋だと、他の人の看護師とか担当医の会話が聞こえてきて、自分の場合と比較したり、将来の副作用を予見出来たりする。これが個室だと他の患者の様子は一切伝わらないので、却ってネットで情報集めるだけで思いつめてしまうかもしれない。今現在の、仕切有りのこの四人部屋がベストかも知れないと思っている。

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今朝から腰が痛い。
白血球が下がったので昨日から3日間、値を上げる注射を打ち出したが、その副作用とのこと。
それ以外は手先の痺れもなく、発疹はあるが軟膏塗ったら痛みも痒みも消えて順調だ。




20/8/19-20

<抗がん剤投与から13日目>

白血球の数を増やすための注射の副作用で、昨日から腰痛が発生。
鎮痛剤を飲んで散らす。

発疹の方は次第に良くなってきた。

病院食はとても美味しく頂けているのだが、朝食の量が少なすぎ。

パンとスープと牛乳、ポテトサラダとカレーボール


夕食が18時で翌日の朝食が8時なので14時間の間が空く。
朝起きると空腹でグゥーグゥーだ。

またついに脱毛が始まった。
何気に髪を掻いたら四谷怪談のお岩さんのようにゴッソリと抜けた。



事前にカツラとか調べたがかなり高価なので、自然のままツルッパゲで行こうと思う。

男にとって髪は命、では無いしね。


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<抗がん剤投与から14日目>

今日は採血の日。5時過ぎに血を取られる。

 正常値 8/7
(投与1日目)
8/11
(投与5日目)
8/14
(投与8日目)
8/17
(投与11日目)
8/20
(投与14日目)
  白血球 感染症 3300-8600   15730 7640  3320  860  2480 
 赤血球 貧血めまい  435-555  444  414  475 453 445
ヘモグラビン  出血貧血  13.7-16.8  13.8  12.7  14.6  13.9  13.7
血小板 口内炎  15.8-34.8 26.1 23.2 21.9 15.1 22.1
好中球  感染症
免疫力低下
 38.5-80.5  89.7  93.8  74.4  26.7  29.0
 好中球数  500以下要注意  14110  7166  2470  230  719

9時半過ぎに採血の結果が出た。

担当医が来て白血球が上がって来ているので、明日退院でも良いとの事。
まったく予想していなかったので素直に嬉しい!




20/8/21

<抗がん剤投与から15日目>

10時過ぎに退院した。長かったような短かったような・・・・。

荷物をマンション自室に降ろして昼食は姉と鰻屋へ。

18日ぶりのビールを。
あまり感激はなかった。苦かった。生まれてはじめてビールを飲んだときの感想に似ているか?
時間が空きすぎて味を忘れしまったのかも。



退院時に担当医にアルコールの件を聞くと「肝臓の値にも影響が出るので控えたほうが良い。」との事。
まっ、想定通りのお答え。

ネットで調べてみると、薬剤師の意見として抗がん剤投与直後とか、体に残っているときは悪影響があるが、一度抜けた後だとそれほどでもないとの意見。薬剤師の立場としては「控えるように」としか言えないが、飲めないストレスを抱えるよりは、嗜む程度の摂取は問題ないとの事。

試しに抗がん剤投与後の、肝機能「γ-GTP」を表にしてみた。

   7/15  7/21  8/7 8/11  8/14   8/17 8/20 
γ-GTP
(基準値13-64)
 
55 59 44   38  50  52  51
 抗がん剤投与 2日目  6日目  9日目  13日目  16日目 

平常値は55-59あたりで、
抗がん剤投与の一週間過ぎあたりが低く、そののち上昇している。

値が低いほどよいのであれば、投与直後は飲んで良いということなのだろうか?
よく分からない・・・。



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